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メイ・サートン『終盤戦 79歳の日記』みすず書房
¥3,600
私は「この日記を通じて……たとえ老いて病んでいても、海辺の家で暮らすことがどんなご褒美をもたらしてくれるのかを伝え」たい。そして「他人に頼って生きることを学ばなければならなかった」ことも。 次々と訪ねてくれる「宝の山のような」友人たちとの時間は生活を豊かに広げ、愛猫ピエロには時に手を焼き、花々と海には心洗われ、以前だったら返事書きに苦しめられた読者からの手紙が、今では「勇気を注入してくれる注射のようなもの。そのおかげで、長距離走の最後の数周をなんとか走りつづけていられる」 「サートンは何百万もの女性にとって灯台のような存在だった。そしてその光は弱まりつつあるとはいえ、彼女は『独り居の日記』を書いたサートンのままでありつづけている」(「ライブラリー・ジャーナル」) 著者:メイ・サートン 訳者:幾島幸子 判型:四六判 頁数:408p 発行日:2023年3月16日
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メイ・サートン『74歳の日記』みすず書房
¥3,200
73歳の冬、サートンは夜中に突然軽い脳梗塞を起こした。さらに、当時つづいていた体調不良に重ねて、愛猫ブランブルの死があり、クリスマスツリーが燃えるハプニングもあり、詩はいっこうに湧いてこない。 そんななかで春を迎えた1986年4月、彼女は「とにかく率直な日記をつけよう」と決める。こうして読者は、サートンがついに元気になるまでの道程を伴走することになる。 日記の終盤にかけて、朗読旅行にも出かけられるようになったサートンの「独り居」は、豊かさと生気をとり戻していく——毎日臨む海、多忙な庭仕事、貪欲な読書、新顔の雄猫ピエロ、気にかけてくれる友人たち、読者からの手紙、そしてふたたび湧きはじめた詩。 サートンの筆致はどんな状態にあっても湿っぽくない。ここにいるのは、どこまでも人生の探検者でありつづける詩人だ。 著者:メイ・サートン 訳者:幾島幸子 判型:四六判 頁数:336p 発行日:2019年10月16日
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メイ・サートン『70歳の日記』みすず書房
¥3,400
SOLD OUT
アメリカの詩人・小説家、サートンの58歳の作品『独り居の日記』は、日本でたくさんの読者を得た。その後サートンはさらに北へ、カナダと国境を接するメイン州の雪深い海辺に引っ越す。この地でペットの犬と猫と暮らしながら、ようやく、世間から冷遇されていた長い時期を抜け、この日記の執筆にいたった。 サートンという「独り居中毒患者」は、かけがえのない友人・気骨ある隣人とのつきあいをなにより大切にする。それでいて、外では「他人を意識しすぎて感覚が鈍」り、独りの時間——ものを書き、考え、庭仕事に打ちこむ時間——を恋い焦がれることになる。疲れてパニックになるかと思うと、「鬱の波に足をすくわれそうな」とき、早朝に眺めたどこまでも穏やかな海に、突然涙があふれる、という感受性の持ち主だ。 この年、サートンは最愛の恋人だったジュディの老いと死に直面した。自分に残された時間も少なそうだ。故郷ベルギーから切り離された孤独感も深い。そして考えた——年をとらない秘訣は何か?たぶん、何かに深くかかわり、こだわりをもつこと。エネルギーは要るけれど。 詩の朗読旅行、読者との交流も頻繁にあり、前向きに生きる濃密な1年。それを率直につづる瑞々しさは、きっと読者を魅了し、勇気づけるだろう。 著者:メイ・サートン 訳者:幾島幸子 判型:四六判 頁数:416p 発行日:2016年7月25日
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メイ・サートン『独り居の日記』みすず書房
¥3,400
年齢を重ねるほどに、みずみずしい作品を発表したアメリカの詩人・小説家、メイ・サートン。1995年に83歳で亡くなるまで、その創作意欲は衰えをみせなかった。 さかのぼって1960年代の後半、はじめて小説のなかで自分の同性愛を明らかにしたサートンは、大学の職を追われ、折しも愛の関係のおわりと父親の死の直後で、失意の底にあった。やがて彼女は、世間の思惑を忘れ、ひたすら自分の内部を見つめることで新しい出発をしようと、まったく未知の片田舎で生活をはじめる。その頃の一年間の記録である。 ニューイングランドの自然と動物たち、大切な友人との交流、詩作、読書、生と死をめぐる万感が、無垢な感性と作家の思索をとおして文字になり、さらに、創造の時空としての孤独を見つめる穏やかな文章の水面下には、恐れ、悲しみ、喪失と、女性に禁忌とされてきた怒りの爆発を直視する「戦士」がいる。 50冊以上の作品を世に送り、その精神のたたずまいに感応する読者を各世代に獲得しているサートンの代表作である。 著者:メイ・サートン 訳者:武田尚子 判型:四六判 頁数:282p 発行日:2016年9月1日
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シモーヌ・ヴェイユ『神を待ちのぞむ』
¥2,420
戦間戦の混乱のなかで、あらゆる価値観が崩壊していくのに直面して、教会をこえた信仰のあり方をとうた著作。 著者:シモーヌ・ヴェイユ 訳:渡辺 秀 ジャンル:哲学・思想 出版年月日:2020/08/25 頁数:288p
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シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと』春秋社
¥2,750
近代化を通じて、故郷を喪失してしまったものが、世界との絆をいかにして再生できるかどうかを問うた、渾身の一冊。 著者:シモーヌ・ヴェイユ 訳:山崎 庸一郎 ジャンル:哲学・思想 出版年月日:2020/08/25 頁数:408p
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シモーヌ・ヴェイユ『工場日記』ちくま学芸文庫
¥1,320
新進のうら若き女性哲学教師が教職をなげうち、未熟練の女工として工場に飛び込んだのは、市井の人びとの疎外状況を身をもって知るため、というだけではなかった。「人間のありのままの姿を知り、ありのままを愛し、そのなかで生きたい」という純粋かつ本質的な欲求による、やむにやまれぬ選択であった。だが、現実には激しい労働と限りない疲労に苛まれ、心身は限界に達する。過酷な日々を克明に綴った日記は問いかける、人間性を壊敗させる必然性の機構のなかで、はたして人間本来の生は可能なのか―。これは極限の状況下でひとりの哲学者が自己犠牲と献身について考え抜いた、魂の記録である。 著者:シモーヌ・ヴェイユ 装丁:間村俊一 発行年:2014/11/10 出版社:ちくま学芸文庫 サイズ:文庫判 頁数:288p
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神谷美恵子『生きがいについて』 2018年5月 (100分 de 名著)
¥576
いのちを点す「義務」がある。 一九五七 (昭和三十二)年、神谷美恵子は社会から隔離された国立ハンセン病療養所で精神医学的調査を行い、同じ条件下にいても生きる意味を見失って悩んでいる人と、生きる喜びにあふれている人を目にした。その違いは何か、人間の生きる意味はどこにあるのか――そうした問いに対し、患者の生きる姿や、古今東西の書物や、みずからの思索を通じて、さまざまな角度から考察した。 著者:若松英輔 装丁:菊池信義 発行年:2018年5月 発行 出版社:みすず書房 サイズ:A5 頁数:116p ※入荷の際についた軽い汚れが表紙にあります
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神谷美恵子『人間をみつめて』
¥2,200
神谷美恵子の思想と行動の立脚点ともいえるハンセン病療養所、長島愛生園。本書では1950年代から70年代、療養所とハンセン病者を取り巻く厳しい現実に向き合い、格闘する日々がリアルな、切実な筆致で綴られている。思索と行動のひとであった、著者の姿を伝える貴重な記録である。 著者:神谷美恵子 装丁:リヒトプランニング 発行年:2019年3月 第3刷発行 出版社:みすず書房 サイズ:四六変型 頁数:368p
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神谷美恵子『こころの旅』
¥1,760
「人生とは生きる本人にとって何よりもまずこころの旅なのである」生命の芽生えから人生の終章まで、ひとのこころの歩みを、その一歩一歩をたしかめるように、丁寧にたどっていく。人生への愛情と洞察にみちた静かな言葉の数々。悩み、迷う人々のかけがえのない人生の書になるだろう。 著者:神谷美恵子 装丁:リヒトプランニング 発行年:2019年4月 第7刷発行 出版社:みすず書房 サイズ:四六変型 頁数:264p
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神谷美恵子『遍歴』
¥1,980
「どのようにもののみかた,考えかたが変わってきたか,これこそ心をもつ人間の歴史といえるものではないかと思う.……だからこれから書くのは自叙伝というよりは,ちっぽけな頭で感じたり,考えたりしてきたことの断章である」 考えることと思うことを決して絶やさなかった神谷美恵子の「遍歴」という名の断章たち。 著者:神谷美恵子 装丁:栗田印刷 発行年:2005年3月 発行 出版社:みすず書房 サイズ:四六変型 頁数:372p
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神谷美恵子『本、そして人』
¥2,420
結核療養期を支えてくれた「恩人」マルクス・アウレリウス、一生を決めるほどの「電撃」を受けたプラトンをはじめ、人生の折々に神谷美恵子を助け、つくりあげた本、そして人。新編集で贈るエッセイ集。 著者:神谷美恵子 装丁:リヒトプランニング 発行年:2019年3月 第3刷発行 出版社:みすず書房 サイズ:四六変型 頁数:356p
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神谷美恵子『ケアへのまなざし』
¥3,300
当事者性についていち早く知りうる人のひとり、神谷美恵子。 「たった一人の患者の心でも、ほんとうに知るのはなんとむつかしいことか。」医療の場の実体験に基づいた彼女の言葉はひとりひとりの弱者に対してまなざしを向ける。 人間としての医療・看護・介護のあり方をみつめるエッセイ, 論文, 対談を収録する。 著者:神谷美恵子 装丁:リヒトプランニング 発行年:2021年5月 新装版第2刷発行 出版社:みすず書房 サイズ:四六変型 頁数:272p
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本を読む本(講談社学術文庫)
¥1,177
1940年、米国で刊行。読書の方法がわからなくなっているあなたにおすすめの一冊。 本を読むとはどのような行為なのかを初級読書から読書の最終目標まで学術的な視点から丁寧に解説をする。 著者:M.J.アドラー / C.V.ドーレン 訳者:外山滋比古 / 槇 未知子 装丁:蟹江征治 発行年:2023年6月 第71刷発行 出版社:講談社 サイズ:文庫 頁数:265p
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モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語
¥1,980
本と本屋の原点はここから始まった。 イタリアについて多くの本を刊行してきた著者の小さな村との本の旅。 「この山に生まれ育ち、その意気を運び伝えた、倹しくも雄々しかった本の行商人たちに捧ぐ」 我らの思いを、伝え征け--。 著者:内田洋子 装丁:中川真吾 発行年:2021年3月 第1版第7刷発行 出版社:方丈社 サイズ:20 × 14 cm 頁数:346p